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csi_ny:s06:138_unusual_suspects

CSI: NY - Season 6, Episode 21

#138 Unusual Suspects

  • 邦題:「放課後の銃声」
  • 脚本:Wendy Battles, John Dove
  • 監督:Marshall Adams
  • 初回放映:2010-05-12

事件概要

ニッキー・ハリス

マックとオーブリーがランチデートを楽しんでいる時に、路地で少年が銃撃されるという事件が発生。撃たれたのは14歳のニッキー・ハリスで、一緒にいた弟のサムに「ママにあれを渡さなきゃ」とうわごとのようにつぶやいていた。オーブリーはそのまま救急車に同乗し、マックは警官に規制線を張るよう命じる。現場にはニッキーの血痕以外に、逆方向へと移動する血痕らしい物が見つかるが、調べてみると後者は血痕ではなく赤い染料だった。路地のゴミ箱からは銃が発見される。

フラックはサムを署に呼んで詳しい話を聞く。サムは、近道しようと路地に入った所で、若い男に撃たれて時計を取られたという。兄弟は父親を病気で亡くしたばかりで、母親は仕事を3つも掛け持ちして働いていた。盗られたのは、父親の形見のロレックスだった。フラックは男の人相を聞いてモンタージュ写真を作る。

ニッキーの爪の下から、ジョニー・クックという前科者のDNAが検出される。ジョニーはロレックスを持っており、モンタージュ写真にも似ていたが、サムは面通しでジョニーを名指しできなかった。また、路地で発見された銃も長期間発射された形跡がなく、ニッキーを撃った凶器ではないとわかる。フラックとCSIはサムを現場に連れて行って実況検分を行うが、サムの話は現場の証拠と符合せず、また貫通したはずの弾も見つからない。CSIはサムが嘘をついているのではないかと疑うが、サムに同情するフラックは、精神的に動揺しているせいだとサムを庇う。

ニッキーの傷は大きさから、当初犯人は背中から撃ったものと思われていたが、アダムは着衣の発射残渣がそれと符合しないことを不審に思い、シドの助言を求める。その結果、背中ではなく正面から撃っても、射出口が何かで圧迫されていれば傷が広がらずに小さくなり、射入口と誤認する可能性があるとわかる。傷口の繊維を調べた結果、ニッキーは撃たれた時にリュックを背負っており、銃弾はそのリュックの中にあるのではないかと思われた。

サムはニッキーがリュックを持っていたことを認め、「犯人が取って行った」と言う。同席した母親の話から、携帯電話が入っていたことがわかり、電波を追跡してみた所、仮釈放中の重罪犯、トロイ・カストロの自宅にあるとわかる。

フラックらはその住所に急行するが、カストロはいきなり銃を撃って逃走し、道路に飛び出したところで車に轢かれて即死。

カストロの自宅からは、ニッキーのリュックが発見される。中には銃弾の食い込んだ教科書とともに、赤い染料に染まった札束が入っていた。それは銀行が盗難防止に使用するダイパックで、銀行から一定の距離を離れた所で爆発して紙幣を染め、使えないようにする仕掛けだった。現場にあった赤い染料は、このリュックから滴り落ちたものだった。

カストロの銃はニッキーを撃った物と一致。また、先月から起きている一連の連続銀行強盗事件で使われた銃とも一致する。ニッキーが撃たれる直前にも、現場に近い銀行で強盗事件が起きていた。だがその銀行の行員によると、犯人はカストロより「もっと若くて華奢で、サングラスと野球帽を着けて、きっかり933ドル要求した」と言う。その帽子はニッキーの物と特徴が似ていた。犯人はニッキーだったのだ。強盗の下見に来たカストロは、ニッキーが金を奪って逃げる所を目撃し、後を追ってリュックを強奪したものと思われた。

サムはようやく事実を認める。ニッキーは、母親が933ドルの家賃を払えずに困っていることを知り、たまたま見つけた銃で銀行強盗を企てた。誰も撃たないように弾を抜いて金を奪ったが、カストロに見つかり、撃たれてしまったのだ。カストロの特徴を正直に話せば、強盗の件がバレてしまうので、数日前にクックに時計を奪われた話にすりかえたのだ。

ニッキーは危険を脱し、銀行も検察も不起訴に同意。事情を知った人々から寄付も集まり、家族は家を追い出されずに済みそうだ。


感想

被害者の弟とドンの交流が描かれていたので、これは何かあるな……と思ったらやはり。銀行から奪ったのが家賃きっかりの金額だったり、誰も撃たないように事前に銃の弾を抜くなんて、何だか中途半端なレベルで良い子なんだな、ニッキーは。TVで犯罪ドラマを見たりすることもないのだろう。あっさり金が手に入ったときは何かワナがあるものなのよ。

ニッキーのやったことはれっきとした犯罪であるし、14歳なら成人として裁かれる可能性もあると思うが、今回は動機や被害額、初犯であることや普段の素行などを考えて不起訴になったのだろう。それより、いくら強盗で奪った金だからといって、子どもを撃って金を奪っていったカストロや、子どもから時計をまきあげるチンピラの悪質さが印象に残る。

最後、ニッキーを見守る家族の中にさりげなくドンが入っていて違和感がない。若いくせに親父っぽいんだな、ドンは。

マックとオーブリーの恋物語は、ベタ甘とか色ボケにならず、今回程度に留めておいてくれると良いんだけど……結局どうなるの。


使用楽曲

  • “Ooh Child” by Beth Orton
  • “Better Said” by Cinephile

Yoko (yoko221b) 2013-02-21

csi_ny/s06/138_unusual_suspects.txt · Last modified: 2024-03-02 by 127.0.0.1