• 邦題：「舞台を降りる時」
• 監督：Steve Cohen
• 脚本：Robert Stuart Nathan, Giles Blunt
• 初回放映：1991-12-10

No one's real to her. We're all actors in her play. Foster didn't die, he just left the stage.

ゴミ箱の中からタキシードを着た男性の遺体が発見される。胸を1発（貫通）、頭を2発撃たれて死亡したもので、殺されてから4～5年の間冷凍されていた形跡があった。付近のレストランを調べると、マリオという男の店で最近電気系統の不調があったことがわかり、そこで被害者のボタンが発見される。

被害者はブロードウェイのプロデューサー、ジョシュア・フォスター。だが成功した作品は死後にヒットした “Bleak House” だけで、それ以前の作品は失敗続きだった。ローガンとセレタは当時の関係者――恋人だった女優（現在はプロデューサー？）のレスリー・ハート、共同制作者のゲイリー・ウォレス、作曲家のショーン・ハイランドに事情を聞く。

ウォレスの運転手ロイド・ダナーはすでに死亡していたが、刑務所でダナーと同じ房にいたポラードの話から、ダナーが殺し屋として雇われ、義兄弟のゲイブ・ハントの協力で遺体を冷凍庫に入れたことがわかる。ハントはマリオの店で皿洗いをしていた。ハントの話から当時ウォレスが使用した車がわかり、シートの中から弾丸、血痕、タキシードの繊維片が発見される。ゲイリー・ウォレスが逮捕されるが、動機は不明のままだった。

動機は、ショーン・ハイランドの話から明らかになった。フォスターは、恋人のレスリーがウォレスと浮気しているのではないかと怪しみ、そうであれば舞台への資金提供を中止するつもりだった。フォスター失踪の直後、コカインディーラーのケチャムが経営する会社からレスリーを通じて巨額の投資があった。ケチャムは8年前、レスリーとともに麻薬犯罪で逮捕されている。また、ケチャムのビジネスパートナーがダナーだったことも判明。ケチャムはすでに、麻薬や脅迫などで連邦検事から起訴されていた。

ストーンは連邦検事ハーブ・マッキャンと話をつけ、連邦の事件を減刑する代わりにレスリーが関与した証言を得る。レスリーはフォスターを排除し、代わりにコカインによる資金を舞台につぎこんだのだ。

レスリーは起訴される。ハイランドが証言台に立つが、レスリーの弁護人はハイランドとレスリーが元恋人であったことを持ち出す。証言の信憑性が低下することを恐れたストーンは、ゲイブ・ハントと取引し、ウォレスの姿を見たという証言を得る。だが、その取引は一度白紙にし、証言をした後で改めて取引をするということにしたため、ウォレスの弁護人の「あなたは取引をしましたね？」という質問にハントは「いいえ」と答えることになる。

ストーンはさらにウォレスと取引し、ウォレスは「フォスターが金の出所を知り、警察に通報すると言った。レスリーが命令し、ロイドがフォスターを撃った」と証言する。レスリーは「命令したのはウォレス。自分はフォスターを愛していた」と主張するが、ダナーとの関係のことで嘘をついていた証拠が持ち出され、有罪判決が下った。

うーん、ややこしくて一度見ただけではさっぱり。最初はウォレスとケチャムの見分けがつかなかったし、ケチャムとの話で連邦証券法違反がどうのこうのというのも、よくわからなかった。

今回は、「In Memory of（記憶の中に）」ほどではないものの、犯行が5年前というコールド・ケース。弾丸や血痕は見つかるがDNA鑑定には古すぎ、凶器の拳銃も見つからない。関与した人物はわかっても、実際に誰が何をしたかは当事者の証言に頼るしかない。というわけで、取引に次ぐ取引。大バーゲン状態だった。

ゲイブ・ハントとの取引をいったん白紙にして「証言した後で取引するよ」と口約束したのは、ハントが取引を条件に証言したとなると、その証言の信憑性に疑問が持たれるから、ということなのだろうか。取引していません、となると保身とは無関係に事実を語っていると思われるから？ でもそれって、騙し討ちのような……。

レスリーの悪女ぶりが、最後の検事の台詞（冒頭に引用）ほどでなかったのが、ちょっと残念だったかな。「Misconception（ねじ曲げられた真実）」のエイミーの印象が強すぎたのかも。

で、発端の死体遺棄はハント？ それとも最初の方に登場した従業員かな。5年間冷凍庫を清掃も点検もしていなかったのだろうか。

— Yoko (yoko221b) 2007-06-24