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lao:s07:152_mad_dog

Law & Order - Season 7, Episode 18

#152 Mad Dog

  • 邦題:「執念の追い討ち作戦」
  • 脚本:Rene Balcer
  • 監督:Christopher Misiano
  • 初回放映:1997-04-02

Listen to what you're suggesting. An arrest you know is false. The inquisition is over.

事件概要

People v. Lewis Darnell

18年前に多数のレイプ事件で有罪になったルイス・ダーネルが、刑期途中で仮釈放の審査を受ける。当時訴追を担当したマッコイは釈放に反対するが、結局ダーネルは仮釈放となる。

その直後、風邪で学校を休んでいた十代の少女、テレサ・ペレスが昼間に自宅でレイプされ、殺害される。現場のアパートは施錠され、住人以外に出入りはなかったが、調べてみると隣のビルからボイラー室を通じてこっそり侵入することができた。

マッコイはダーネルの再犯を確信する。しかし、ダーネルは保護監察官との面会を欠かさず模範的な態度を示しており、18年前には被害者を誰も殺害していなかったので、犯行の様態も同一とは言えない。犯行当日は職場に出勤しており、昼の休憩を通常より長く取っていたため、1時間ほど空白の時間があった。隣の建物からテレサのアパートへ通じる経路は管理人すら知らないものだったが、調べてみるとダーネルの母親はオハイオに転居するまで、隣の建物に住んでいたとわかる。

ブリスコーとカーティスは、薬物検査を口実にダーネルの身体を調べるが、仕事で付きそうなものを除いて外傷はない。ただ、体毛をすべて剃っているという変わった習性があるとわかる。18年前にダーネルが逮捕された時の証拠は体毛だった。それを根拠に捜索を行ったところ、レイプや窒息を題材にしたビデオやポルノ雑誌が発見される。

ダーネルは取調べを受けるが犯行を一切否定。「決め手がないなら帰る」と言って部屋を出ようとすると「仮釈放の条件に違反した」と逮捕。しかしダーネルは人身保護令状を請求し、判事もこれを認めてダーネルは釈放される。マッコイはそれではと、精神疾患を理由に保釈を取り消そうと画策。

審問が開かれ、オリヴェット、ダーネルの娘、ダーネル本人が証言。オリヴェットは「レイプ妄想が高じて犯罪に至るケースでは治療法がない」と言い、ダーネルの娘は「父親は善良で優しい人間であり、自分は無実を確信している」と言う。ダーネル本人は、過去のレイプ事件の証拠や自宅のポルノ雑誌などを突きつけられ「レイプ妄想は持っているが、それは想像の世界だけのことで、自分の行動は意思の力でコントロールしている」と主張する。判事は熟考の末マッコイの主張を退け、ダーネルの釈放を決定。

一方、警察は地道に捜査を続けていたが、ダーネルを事件と結びつける証拠は一切発見されていない。マッコイは24時間態勢でダーネルを監視するよう指示する。ダーネルの職場は再び捜索され、接触した同僚や近隣住民は全員大陪審に召喚され、メーガン法に基づいて「性犯罪者ダーネル」の人相書きがそこかしこに掲示される。ダーネルは解雇され、親類を頼って転居しようとするが、マッコイはすべての転居先の検察に根回しをして受け入れを阻止する。

保護監察官も警察もさすがにマッコイはやり過ぎていると感じ、シフに苦情が入り始める。ダーネル側はACLU(米国自由人権協会)の協力を得て一連の「捜査」を止めさせようとする。判事はダーネルの主張を退けたものの、マッコイに対しても「少々行き過ぎているのではないか」とやんわり警告。

その後、ダーネルのポスターを見てある少女が名乗り出る。先月、学校をさぼって家にいると、ダーネルがやって来て「ラジエーターをチェックするので開けてくれ」と何度も言ったが、警察を呼ぶと言うと逃げて行ったという。学校をさぼったことを知られたくなくて黙っていたが、ポスターを見てようやく母親に打ち明けたのだという。

だが調べてみるとその話は信憑性が薄く、ダーネルを逮捕させるための作り話と思われた。マッコイはそれでも逮捕を強行しようとするが、シフに一喝される。そこへブリスコー刑事から一報が入る。

殺人現場。バットで殴り殺されたダーネルの遺体が横たわる。彼女は、玄関のドアが開いているのを見て入ったところ、ダーネルが彼女の友達にのしかかり、レイプしていた。彼女はそれを見て、玄関にあった野球のバットでダーネルを殴り殺したのだった。マッコイが別室へ行くと、そこではダーネルの娘が返り血を浴びて座っていた――。


感想

いつもと違う冒頭場面。被害者発見ではなく、18年服役していた連続レイプ犯のダーネルが保釈のための審問を受ける場面で始まる。担当検事だったマッコイは強硬に反対するがダーネルは保釈され、その直後に近所で類似手口によるレイプ殺人事件が発生。そこからマッコイ大暴走が始まるのであった。いや今までマッコイのことを強引とかいろいろ言ったけど、このエピを見たらもう、今までのはまだ可愛いもんだったと思うわ。

マッコイはダーネルの犯行を確信するが、証拠がない。まったくないわけじゃないのだが「ダーネルが犯人であるという仮説に矛盾しない」という状況証拠だけであって、ダーネルの犯行を直接証明する証拠や、逆にダーネルの無実を証明する証拠もないという、何とも中途半端な状況。

マッコイは仮釈放の条件に違反したといってダーネルを逮捕させ(これもかなり強引)、それが失敗に終わると今度はダーネルに対して徹底的な監視態勢をしき、過激なやり方で包囲網を狭めていく。これはいくら何でもやりすぎだろう。

そして結局、ダーネルは本当に女性をレイプしようとしたところを娘に殴り殺されてしまうという、何ともやりきれない結末。

ペレス事件の犯人がダーネルだったのかどうか、これで真相はわからなくなってしまった。確かに女性をレイプしようとはしたが、ペレス事件とは手口も被害者像も異なっている。窒息させようとした所は共通だが、それまで標的にしたのは十代の少女ばかりだし、自宅で堂々と犯行に及ぶことはなかった。これはやはり監視のストレスによるものだったのだろうか。近隣で同じ手口による性犯罪が今後なくなれば「結局ダーネルだった」ってことになりそうだ。

娘も、審問ではダーネルの無実を確信していると言っていたが、何だか弁護士と打ち合わせて台本どおりの台詞を読んでいる感がありありで、本当は父親を疑っていたんじゃないか(それが最後の一撃につながっていったのではないか)とも見える。あぁもう本当に中途半端。

さて、このエピソードで取り上げられているメーガン法(ミーガン法)は、1994年にニュージャージー州で成立した、性犯罪者の情報を公開する法律の俗称である。連邦レベルでも同年に「子供に対する犯罪及び性的暴力犯罪者登録法」が成立している。これは性犯罪前歴者の情報を登録して住所の申告を義務付ける物で、当初は誘拐されたまま行方不明になっている少年ジェイコブ・ウェッタリングの名前が付けられていた。その後何度か改正を重ね、96年からは「連邦メーガン法」として、性犯罪者の情報公開を義務付けるものになったようだ。このエピソードの放送が97年4月で、連邦メーガン法の最終修正が98年なので、放送当時はまさに、事態が動いているさなかだったわけだ。

Yoko (yoko221b) 2012-08-15

lao/s07/152_mad_dog.txt · Last modified: 2024-03-09 by 127.0.0.1