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louk:s02:015_hounded

Law & Order: UK - Season 2, Episode 2

#15 Hounded

  • 邦題:「執拗な追跡」
  • 脚本:Catherine Tregenna
  • 原案:René Balcer
  • 監督:Julian Holmes
  • 初回放映: 2010-09-16

事件概要

Crown v. Paul Darnell

16歳のアシャンティ・ウォーカーが自宅で死亡する。外傷はなかったが、破れた下着が発見され、レイプ殺人が疑われる。交際している恋人はいたが、事件当日は出勤していてアリバイがある。侵入された形跡や、不審人物の出入りもなかったが、その建物は隣の建物とボイラー室でつながっており、構造に詳しいものなら見とがめられずに侵入できる可能性があった。

アシャンティは衣服で窒息させられた可能性があるとわかり、類似する事件を調べたところ、ポール・ダーネルの存在が浮上。連続レイプで服役し、仮釈放になったばかり。仮釈放の審査では、事件を担当したスティールが反対意見を述べていた。

ダーネルは現在、職人として働き、服役中にアートセラピーの講師、ジュディと知り合って婚約していた。事件当日も仕事をしていたと言うが、調べてみると犯行時間には外出しており、アリバイはない。現場近くを歩いているところが監視カメラに記録されていた。ダーネルは子どもの頃現場の近くに住んでおり、家族から虐待を受けたトラウマを抱えているため「過去と対峙する」ために近くへ行ったのだという。昔近くに住んでいたということで、隣から出入りできることも知っていた可能性が高まる。ダーネルを現場に結びつける直接的な物的証拠は出ないが、ダーネルは全身の体毛を剃っており、以前に逮捕されたことで学習したとも考えられる。

いずれの証拠も、ダーネルが犯人であるという仮説に矛盾しないが、直接犯行を立証することはできない。それでもスティールはダーネルを強姦殺人で起訴すると決定。

その後、ダーネルは家宅侵入未遂で逮捕される。その家に住む娘のキム・ベイカーははっきりとダーネルを名指しし、ダーネルは侵入未遂はきっぱりと否定したものの、証言台で口をすべらせてキムに目をつけていたことを認めてしまう。だがその後、弁護士の調査によりキムの記憶が不確かだったことも明らかになる。

ダーネルには無罪の評決が下される。しかし事件のことが近隣に知れ渡ったため、ダーネルは何度も暴行を受け、自宅には落書きされるようになる。

スティールはそれでもダーネルの犯行を確信し、次の犯行を防ごうとするが、無罪評決が出た以上、警察が監視することは難しい。隣人からの暴力を理由に警察が「保護」してはと提案するが、ダーネル本人に断られる。ダーネルは引っ越そうとするが、引っ越し先に少女がいることを知ったスティールがそれを阻止する。

そして――ダーネルが婚約者のジュディに殺害されるという事件が起きる。隣人から暴力を受けていたダーネルを、ジュディがしばらく自宅に泊めることにしたのだ。ジュディには17歳の娘がいるが、18歳になるまではダーネルとは接触させず、友達の家に泊ることになっていた。だがジュディが帰宅すると、予定外に娘が帰宅し、ダーネルが彼女にナイフを突きつけていたという。


感想

本家の元エピソードは、シーズン7「執念の追い討ち作戦」。マッコイの執拗な追撃にただならぬものを感じ、それが印象に残ったエピだったが、ではマッコイがダーネル(本家も同じ名前だった)の仮釈放に強硬に反対し、少女殺害の犯人であると確信する理由は何だったかなと考えてみても思い出せない。

で、その展開をそのままスティール検事に当てはめてみても2人がやはり別人(違うキャラ)である以上、まったく同じ話にはならないわけで……やはりスティール検事にはマッコイ級の大暴走は無理だったのか、ずいぶんとソフトな印象。

そしてアシャンティ殺し、評決は無罪だが実際にはどうだったのか? これも本家と同じく真相は「わからない」ままだが、無実だとすると悪質なレイプ殺人犯がまだ野放しということになるので、犯人であってくれた方が良いかな……という気はする。キムのことも、侵入未遂はともかく目を付けていたことは確かなわけだし、婚約者ジュディの証言からも、「有罪」という印象を受けた。

ジュディはダーネルの優しさを主張するつもりで、事件の日に「花とワインを買って来てくれた」と言うのだが、その後、スティールからの質問に答えて、今までの相手は「浮気をした時だけ優しかった」と言い、言った瞬間にその意味に気づいてあわてて取り繕う様子を見せる。過去の相手が浮気をして、その後ろめたさから優しくなるのであれば、ダーネルも同じではないのか。彼の性欲が求めるものは暴力なのだから――。

おそらくその時ジュディの心の中に疑いが起き、それがラスト場面に自然につながっていったので、本家の時ほどモヤモヤしたものは感じなかった。そう思ってみると、スティールにあまり暴走させなかった点も、バランスとして良かったのではないかと思う。

Yoko (yoko221b) 2015-10-11

louk/s02/015_hounded.txt · Last modified: 2019-09-14 by Yoko