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murder1:s02:episode35

Chapter Thirteen-Fourteen

  • Part1
    • 脚本:Doug Palau
    • 原案:Steven Bochco, Charles H. Eglee
    • 監督:Donna Deitch
  • Part2
    • 脚本:Geoffrey Neigher, Doug Palau
    • 原案:Steven Bochco, Charles H. Eglee
    • 監督:Marc Buckland
  • 初回放映:1997-05-25

概要

People v. Clifford Banks (1)

ワイラーは、恩師である弁護士シドニー・ポメランツから「自分は病気で法廷に立てないから」と頼まれてクリフォード・バンクスの弁護を引き受ける。クリフォードは “Street Sweeper”(道路掃除人)と呼ばれた殺人者であり、17名の被害者を「社会に貢献するために殺した」と主張していた。弁護料は、自宅と映画化権を売って作るという。

クリフォードが殺害した被害者たちはいずれも、何の罪もない人々を殺害・暴行してきた犯罪者たちだった。クリフォードは4年前に精神遅滞障害のある弟を殺害され、その後に凶悪犯の殺害を始めた。皮肉にも弟の事件の担当検事はワイラー自身。オズワルド・セサラスという男を逮捕したものの、決定的な証拠がなかったため罪状を故殺罪に落とし、7年の実刑で取引をした。クリフォードはその判決に不満で、自ら処罰を始めたのだ。

ワイラーはまずポメランツの事件ファイルを洗い直し、証人との面談や物証の再確認がほとんど行われていないことを知って驚く。ポメランツは高齢で化学療法を受けており、時折記憶があやしくなる様子。

公判の前に、クリフォードは「婚約者と結婚式を挙げたい」と言う。婚約者のリネットは、TVニュースでクリフォードの笑顔を見て「彼は殺人犯の心を持っていない」と直感して手紙を送り、婚約に至っていた。結婚に関して検事は「印象操作だ」と反対するが、「クリフォードは有罪と決まったわけではなく、婚姻する権利はあるはず」というワイラーの反論に判事も同意し、結婚は許可される。

ワイラーは、クリフォードが殺害した被害者の保護監察官だったマクダーモットから話を聞く。被害者らはいずれも殺人やレイプなどの凶悪犯罪を犯し、取引により数年の刑を言い渡され、仮釈放されていた。彼らは仮釈放中も更生した様子がなく、マクダーモットは「更生はサソリをペットにするより難しい」と言う。

映画プロデューサーのゲイリー・ブロンドが、クリフォードの事件を映画化しようとワイラーにアプローチ。さっそく結婚のことを聞きつけてやって来る。だがそこへ、ポメランツからの遺書のようなFAXが届く。ワイラーはあわてて救急車を呼ぶが、ポメランツはすでに首を吊って死亡していた。

その後クリフォードは無事に結婚式を挙げる。判事はクリフォードを公判に耐えられると判断し、陪審員の選出が行われる。グラッソ検事は「有罪を認め、治療施設に死ぬまで収容」という取引を切り出すが、クリフォードは「自分は正常であり、それを理解できない司法制度が異常なのだ」と言い拒絶する。

クリフォードの弟を殺害したセサラスの仮釈放を審議するヒアリングが行われ、クリフォードにも出席が許可される。セサラスはトミーを殺害したことを反省し、生まれ変わったと主張するが、クリフォードはそれらをすべて否定し「釈放しないでほしい」と切々と訴える。だがセサラスは仮釈放を許可され、クリフォードはショックを受ける。

公判が始まる。ワイラーは、凶器の銃がいずれもクリフォードの名義でないこと、指紋が検出されていないこと、車に遺体が積んであったり、パソコンに被害者のデータが入っていたことは、誰にでも「仕込み」ができることであると指摘して「合理的な疑い」を強調する。

まずクリフォードの車で遺体を発見した巡査、さらに現場に呼び出されたビッジオ刑事が証言。ワイラーは何とか被害者の凶悪性を印象付けようとするが、異議を唱えられ失敗する。クリフォード本人は、騒ぎをよそに欠伸をしたりニヤニヤ笑ったりしてワイラーを心配させる。

アーノルドは、巡査からの通報で駆けつけた救急班の供述と、巡査の証言に矛盾があることを発見。巡査は令状のない違法な捜索を行ったことをごまかしていたのだ。遺体が違法収集証拠として排除された場合、そこから間接的に発見された証拠もすべて「毒樹の果実」として排除される可能性が出てくる。


感想

前回の11-12章を放送してから4ヶ月。今シーズンの3番目の事件は、5月25日、26日、29日の3日間で通常の6話分を放送するというミニシリーズ形式になった。ドラマの脚本構成とともに放映形態にも試行錯誤……というか苦心の跡が見られる。シーズン2全体を通して見終わった感想としては、この3番目の事件がいちばん面白かったし、放映もミニシリーズ形式で集中してやるのが最適な気がするのだけど、でも結局これが最後の事件になってしまったなぁ。残念。

事件の方は、「凶悪犯罪者だけを狙う」という、デクスターの先祖みたいなクリフォードが現れる。クリフォードに殺害された被害者にレイプされた被害者の女性(ああ、ややこしい)は、首を絞められたせいで現在も昏睡状態。襲われた時はまだ16歳だったという。いずれも、仮釈放で出てきた途端に再犯を繰り返すという、どうしようもない連中ばかり。クリフォードは殺害を認めて堂々としているのだが、でも答弁は無罪。クリフォードにしてみれば、司法ができないことを代わりに自分がやっているのだから無罪だ、と主張したいのだろう。

恩師の頼みで事件を引き受けたワイラーは、正攻法で「合理的な疑い」を強調しようとするものの、当のクリフォードが堂々と殺しを認めているのだからうまくいくはずもない。ただ、最初にクリフォードを逮捕した巡査の供述に矛盾があるということが、ものすごい結果を引き起こす可能性も……。

クリフォードの物語はすでに映画化の企画が持ち上がっており、シーズン1で登場したプロデューサーのゲイリー・ブロンドが再登場。この人が出てくるとコメディタッチになって面白い。検察側は、再びグラッソ検事とビッジオ刑事。そして判事はCSIのS5にゲスト出演したタコス屋台の頑固親父だ!

CSIのS5といえば、クリフォード役のPruitt Taylor Vinceも別のエピソードでゲスト出演。犯罪現場の清掃業者の役だったが、この時も味のある良いキャラだったな~、役柄的に再登場してもおかしくないと思うのだけど、また出て来ないかな。こちらのクリフォード役では眼球の揺れ揺れがちょっと怖い。

Yoko (yoko221b) 2009-06-22

murder1/s02/episode35.txt · Last modified: 2019-05-05 by Yoko