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#10 Midnight Sun
- 邦題：「白夜の太陽」
- 脚本：Hank Steinberg
- 監督：Michelle Maxwell MacLaren
- 初回放映：2002-12-12
事件概要
失踪者：グレッグ・プリチャード（42歳、クリーニング店経営）およびカイラ・プリチャード（6歳）
クリーニング店を経営するグレッグ・プリチャードが、娘とともに車で出勤した後に消息を絶った。妻のサラの話では夫婦・親子間に問題はなく隣人の評判も良かった。だがマローンは、「完璧な夫／父親だ」という評判に疑いを抱く。
一方でクリーニング店の従業員は、ここ最近不審な女性客の姿があったと話す。彼女が来店した時、グレッグはいつも彼女を追いかけて外へ出て行き、しばらくして戻って来るという行動を繰り返していた。その女性の氏名はアリス・ブッカーだが、その氏名の女性が存在していた記録は見つからない。さらに、グレッグには91年以前の納税記録がないことや、暮らし向きに似合わぬ多額の預金があること、失踪前日に店を売ろうとしていたことなどがわかる。
グレッグの社会保障番号は90年に発行されたもの。また、彼が自称していた経歴は高校も大学もことごとく虚偽であったことが判明する。
グレッグと「アリス」がいつも会っていたというダイナーでクレジットカードの記録を調べた結果、「アリス」は政府の職員であり、グレッグは証人保護プログラムを適用されていたことがわかる。経歴が嘘だったのはそのためであった。連邦保安官は捜査から手を引くようマローンに言い、情報提供を拒むが、マローンは「女の子の失踪はまだ失踪班の管轄だ」と主張して独自に捜査を進める。グレッグは、組織犯罪にからむ銃撃現場に居合わせた目撃者だったが、その事件の裁判が証拠不十分で審理差戻しになったため、もう一度証言するよう政府職員から要請されていたのだった。
グレッグの車が発見され、クリーニング店の従業員クインスが自分の車を提供したことがわかる。クインスの車には現在地を示す発信機が搭載されていたため居場所が判明。そこはグレッグことピーターの本当の実家だった。グレッグはカイラを連れて母親に会いに来た後、カイラを預けてサラへの伝言を頼み、母親の車で出て行ったという。
ダニーは刑務所で受刑者に聞き込みを行い、グレッグの暗殺指令が出ていることを知る。だがその指令はグレッグが失踪した翌日のこと。彼らは「失踪人」として報道されたグレッグの顔を見て彼の正体を知り、暗殺指令を出したのだった。
FBIに保護されたカイラから、学校へ行く途中に怪しい黒コートの男たちを見たという証言が得られる。それは実は、連邦保安官が仕組んだ芝居だった。グレッグは証言を拒否したが、証言しなければ有罪にできない。そこで、グレッグが保護を求めて駆け込んでくるよう脅しをかけようとしたのだ。母親のクレジットカードの使用場所とグレッグが言っていた内容から行き先が絞り込まれ、マローンはグレッグを発見。
公判当日、証言を終えたグレッグは裁判所を出た所で狙撃される。だがそれはFBIと連邦検事が仕組んだ芝居だった。グレッグは再び保護を受けて身を隠すことになり、マローンはこっそりカイラにグレッグのメールアドレスを手渡す。最低でも1年は離れて住まなければならないが、ほとぼりが冷めればまた家族3人で暮らせることになるであろう。
感想
むーん。話としては悪くなかったが、事実関係を描写するだけでいっぱいいっぱいで、描写がいまいちというか。証人保護プログラムだとわかるきっかけが「政府発行のクレジットカードを使ったから」というのが何だか単純だし、そもそも従業員に怪しまれるような接触の仕方をしていて良いのかと思う。事件が起きた場所をシカゴ、グレッグの潜伏先をアラスカと判断したプロセスも何だか性急で乱暴だし、そこから見つかるの早杉！
後半から終盤にかけてバタバタと駆け足で話が動いたせいもあって、どうも時間と空間が感じられない。グレッグがいたのがアラスカで、裁判所はシカゴでしょ？ けっこうな距離を移動しているはずなのに、何だか東京から横浜に行ったくらいにしか感じられないのよね……。
TV.com によると、このエピソードは当初2002年10月に放送予定だったのを、4話の「あこがれの街」と順序を入れ替えたのだそうだ。確かに、マーティンとサマンサの会話など、前回の「アメリカのアラブ人」のすぐ後としてはちょっと変かなと思う。入れ替えたのは、4話に登場するチェット・コリンズの再登場に合わせて、時期を調節するためだろうか。