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wire:s05:057_took

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The Wire - Season 5, Episode 7

#57 Took

  • 邦題:「騙し」
  • 脚本:Richard Price
  • 原案:David Simon, Richard Price
  • 監督:Dominic West
  • 初回放映:2008-02-17

“They don't teach it in law school.” - Pearlman

概要

マクノルティはボイスチェンジャーを使って「レッドリボンキラー」からテンプルトンへの犯行声明を偽装する。通話は観光客でにぎわう港からシドナーが中継していた。発信地はただちに逆探知され、シドナーは何食わぬ顔でパトカーを待ち受けて捜索の指揮を取る。テンプルトンの携帯電話には、続けてラリーの写真が送信される。

オマーはマーロの部下を襲撃し、マーロを挑発し続ける。

マクノルティとパールマンは再びフェラン判事に掛け合い、画像送信を傍受して解析するための機材を使用できることになる。

市警ではダニエルズが、ボルティモア・サン紙ではヘインズが、それぞれ捜査/取材の担当を割り振り、全力を挙げて犯人逮捕と被害者の捜索にあたる。マクノルティは、張り込みの人員が足りないとぼやく同僚に、監視チームの人員を融通する。その話を聞きつけた別の刑事が相談を持ちかけ、マクノルティは「ホームレス連続殺人事件」のための予算を仲間の刑事たちに割り振っていく。この事件を最優先にという名目で、彼らはそれぞれ本来の警察業務が行えるようになる。バンクは変わらず空家事件の捜査を続け、マイケルを連行して義父の事件について尋問。

キーマは背景事情を調べるよう命じられ、被害者の両親の家へ出かけて行く。そこにはすでにマスコミが詰めかけていた。彼らは息子をリハビリ施設に何度も入れたが効果はなく、ついに匙を投げたのだと言う。しかし、息子が路上で野垂れ死にすることは覚悟していても、性犯罪はさすがに衝撃が大きく「それに値するものなどいない」と苦しんでいた。マクノルティは、事態がどんどん大事になっていくことに不安を感じる。

ヘインズからホームレスの取材を命じられた若手記者のフレッチャーは、食事の配給所へ出かけてバブルスに出会う。バブルスはフレッチャーを連れてホームレスの寝泊りする界隈を案内する。

フリーマンはマーロの通話を傍受し、時計の画像が送られていることを知る。シドナーは、時計に示された時刻にモンクを監視するが、特に動きはない。フリーマンはその後何枚もの時計の画像を収集し、この時計の時刻が(実際の時刻ではなく)暗号になっているのではないかと思い始める。それを解読するためには、ある画像が送られた後、誰が何をするかを監視しなければならない。

クレイ・デイヴィスは法廷で、人間に火を与えて罰せられたプロメテウスに自らをなぞらえて一大パフォーマンスを演じ、傍聴席からの喝采と無罪の評決を得る。


感想

冒頭でホリー刑事が通話をモニターしていたけど、テンプルトンの通話を傍受するのはフェラン判事から却下されたのではなかったっけ。何か見落としたかな。

マクノルティの犯行がどんどんエスカレートし、何だかハラハラする。台詞の中では「ボイスチェンジャーを使う」とあったけど、あまり声が変わっているような気がしなかったし、アクセントの違いもよくわからないし。この事件は州外でも関心を集めているようだけど、ラリーを引き取ったリッチモンドのシェルターの人が写真を見ちゃったりしないのだろうか。

刑事仲間がマクノルティにたかりつつ事件を解決していく一方で、キーマ姐さんは真面目に事件に取り組んでいる。今までの事件は「現場と遺体に細工をしただけ」で、誰も傷つけていないように思われていたけれど、彼らもホームレスになる前はちゃんと家があり家族があり、それぞれの事情を抱えていたのだということを、改めて感じさせられた。遺族を無駄に傷つけたマクノルティの罪は重い。

サン紙では、ヘインズがテンプルトンの捏造に気づいた模様。最初の電話をあれだけ正確に再現してみせたテンプルトンが、今回はしどろもどろで会話の内容もろくに答えられないのだから、どう見たってそりゃ怪しい。ヘインズは別の記事の裏を取るために警官の集まるバーを訪れるが、ここにいた客のひとりが、ジョン・マンチ刑事だった。今はNY市警にいるはずだが、久しぶりに戻って来たという設定なのだろうか。この場面ではサンちゃんも久しぶりに登場だ~。お元気そうで何より。

法廷でクレイ・デイヴィスがボンド検事のこと(だと思うが)を “Obonda” と揶揄していたのは、バラク・オバマのことだろうか。現在では次期大統領に決定したオバマ氏だが、このエピソードの撮影当時は、おそらくまだ本命候補にはなっていなかったはず。放送されたのは今年2月だから、予備選挙でヒラリー・クリントンと接戦を繰り広げていた頃だっけ。そういえばこの番組はオバマ氏も気に入っているとか?

最後の場面でキーマ姐さんが子どもに聞かせていたのは、絵本 Goodnight Moon(邦題『おやすみなさい おつきさま』)のボルティモアバージョンだそうだ。元々は子ウサギの主人公が目に入るものすべてに「おやすみなさい」を言っていく話だが、ここでは月や星とともにパトカー、ヤク中、売人、男娼、酔っ払いに「おやすみ」……。

Yoko (yoko221b) 2008-11-19

wire/s05/057_took.txt · Last modified: 2024-03-09 by 127.0.0.1