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wire:s05:058_clarifications

Table of Contents

The Wire - Season 5, Episode 8

#58 Clarifications

  • 邦題:「解明」
  • 脚本:Dennis Lehane
  • 原案:David Simon, Dennis Lehane
  • 監督:Anthony Hemingway
  • 初回放映:2008-02-24

“A lie ain't a side of a story. It's just a lie.” - Terry Hanning

概要

マクノルティは、市長と警察幹部の前で、現在の捜査状況と必要な人員と機材を報告する。警察はいよいよ本当にその「殺人犯」を逮捕しなければならなくなるが、市長が十分な予算を割くという決定は一様に歓迎する。マクノルティは監視チームの監督としてカーヴァー巡査部長を指名し、「実はフリーマンがマーロに対する新しい手がかりを見つけたので、人員を少し融通してほしい」と内密に頼み込む。

ホームレス殺人犯の捜査という名目でドラッグディーラーの動きを監視していたドーザマンは、オマーからの通報を受けて売人を逮捕。オマーは少しずつ、だが途切れなくマーロの組織を攻撃し、マーロを挑発し続ける。だがその後オマーは、商店に入ったところをケナードに撃たれ絶命。

オマーの事件はノリスとクラッチフィールドが担当するが、親しかったバンクも連絡を受けて現場に向かう。所持品の中には、マーロの部下の名前を連ねたメモがあった。サン紙では、アルマがヘインズにオマー殺害の件を報告するが、紙面はいっぱいで記事を載せる場所はなかった。

イラク戦争の帰還兵で現在ホームレスのテリー・ハニングがボルティモア・サン紙を訪れ、応対したヘインズを「嘘つき」と呼ぶ。テンプルトンが書いたテリーの記事に、事実でない記述が含まれていたというのだ。テンプルトンとテリーの話し合いは、言った言わないで食い違う。ヘインズはテリーの軍隊記録を照会し、同じ部隊にいた兵士に確認を取り、事実が違っていた場合は訂正記事を出すことに決める。

マクノルティはグレッグスとともにクワンティコのFBI本部へ行き、プロファイリング結果を聞く。彼らの描き出した人物像は、そのままマクノルティに当てはまるものであった。帰宅したマクノルティは、ビーディも子どもたちもいないことに気づく。ビーディからは警告のようなメモが残されていた。

フリーマンは、デイヴィス議員の取引が連邦法違反であることを示す書類を持って連邦検事のもとへ行くが、デイヴィスが黒人コミュニティの殉教者を演じた今となっては、検事は事件を引き受けようとしない。

バンクは、マイケルの義父が殺害された事件の書類にマクノルティの署名をさせ、鑑識ラボの分析を強行。鑑定の結果、現場に残されたDNAはクリス・パートロウのものであるとわかる。バンクはクリスの逮捕状を申請しようとするが、マクノルティは、マーロ組の摘発まであと一歩なので、クリスの逮捕はもう少し待ってほしいと頼む。フリーマンは、オマーが持っていた「ヒット・リスト」の中にチーズ・ワグスタッフの名前があることに注目する。

グレッグスは、現在判明している性犯罪者とFBIのプロファイルを照合して容疑者を絞り込もうとする。グレッグスが時間を無駄にしていくのを見かねたマクノルティは、彼女にすべてを打ち明ける。

フリーマンはバーでデイヴィス議員にアプローチ。連邦検事が事件を却下したことは伏せたまま連邦法違反の証拠書類を見せ、「協力してくれなければこの書類を連邦検事に渡す」と脅しをかけて協力の約束を取り付ける。

サン紙では、ヘインズがテンプルトンの原稿を読み、「匿名のホームレスの女性」が記者にとって「完璧すぎる」コメントを寄せていることに懐疑的な態度を見せ、出所を確認できない情報を載せないという原則を貫く。

マクノルティは帰宅したビーディと子どもたちを出迎える。ビーディは「次は貴方が出て行くことね」と言い、マクノルティはついに、ビーディに連続殺人犯捏造の事実を打ち明ける。

シドナーは地図を見ている時に、時計を使った暗号の意味に気づく。時計の画像は、秒針が地図帳のページ番号、長針と短針がそのページの座標を示していたのだ。その法則で今までの画像を解読した結果、オマーのリストに入っていたチーズが現在はマーロの支配下にあることが確認される。


感想

オマーが!!!

オマーが撃たれた場面では、一瞬呼吸が止まった。あれほど恐れられていたオマーが、あっさりと、あんな子どもに撃ち殺されてしまうなんて……。

人が死ぬ場面、何だかシーズンを追うごとにどんどん淡白になっていく印象がある。以前のシーズンでストリンガーやディアンジェロが殺される場面は、もっとドラマチックに扱われていた――それなりに時間をかけて緊迫感を盛り上げる描写があったり、次シーズンで重要な役割を果たしたりしていたと思う。それに比べて、銃声一発で終わったオマーの最期はあまりにもあっけない。描写の淡白さとサン紙でのアルマの事務的な報告が、寒々とした無情感を感じさせる。

それにしたってマクノルティはちょっと冷たすぎじゃない?「オマー? 死んだ?」ってそれだけ?

マーロの捜査では、シドナーが暗号解読に成功して敵にぐんと近づいた反面、マクノルティの嘘もそろそろ限界に来つつある。マーロを捕らえるまで持ちこたえられるのか。危ういバランスを保ちつつストーリーが収束へ向かい始めたエピソードだった。

サン紙の方でもテンプルトンの記事ではまたまた捏造が発覚。今回はちゃんと取材をしていたのに、それでも誇張や作り話が入っているというのは、もうどうしようもないな。現実の話では満足できなくなっているのだろうか。こんな話では読者にウケない、もっと、もっと刺激的な話を! と思ってしまうのだろうか。

今回、久しぶりにプートが登場した。どうやら売人から足を洗ってスポーツシューズの店で働いているらしい。ボディの件がきっかけだったのだろうか。ドゥーキーも堅気の仕事をしたがっているが、年齢が足りないので職探しは難しい。

Yoko (yoko221b) 2008-11-19

wire/s05/058_clarifications.txt · Last modified: 2020-08-15 by 127.0.0.1