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CSI: Miami - Season 8, Episode 15
#182 Miami, We Have a Problem
- 邦題：「ゼロGの攻防」
- 脚本：Brian Davidson
- 監督：Sam Hill
- 初回放映：2010-02-08
事件概要
サム・ガードナー
駐車場に停まっていた車の上に、男性の遺体が落ちてくる。最初は木から落ちて来たと思われたが、男性の身体や木の枝の損傷が大きいことから、さらに上方――飛行機かヘリから落とされたらしいとわかる。
ローマンは被害者の赤血球が平たい楕円ではなく球形であることや、骨のカルシウムが著しく少ないことから、被害者は24時間以内に宇宙空間にいたと判断する。もちろん、宇宙空間から落ちて来たのであれば空気の摩擦で燃え尽きてしまうため、いったん地球に戻ってから飛行機で投げ落とされたはず。
NASAに問い合わせた結果、行方不明の宇宙飛行者いないとわかり、民間の宇宙旅行会社「プライム・ムーバーズ」を調べた結果、被害者は宇宙旅行に参加していた乗客のサム・ガードナーとわかる。ツアーの参加者は、被害者の他にオーナーのパーマー、飛行士のレンデル、乗客である映画スターのクロスの4名。
検死の結果、ガードナーの死因は血液が沸騰して蒸発したため――つまり宇宙服なしで宇宙空間に出たためらしいとわかる。追及されたパーマーは、ガードナーが自分でエアロックに入りハッチを開けたことを認める。警報で気づいて、慌てて閉めたがすでに手遅れ。地球に戻ってからヘリで遺体を運び海に捨てようとしたが、カモメの群にぶつかって落としてしまったという。
だが調べてみると、エアロックの中には開閉ボタンはない。スイッチを船内から操作しなければハッチを開けることはできない。指紋を調べた結果、ハッチを開けたのはクロスだったとわかる。クロスは「スペースウォークをしたがったガードナーに脅されて仕方なくハッチを開けた」と供述を変える。しかし放射線を調べた結果、ガードナーの宇宙服は船外で使用されていないことがわかる。
宇宙船の内部を調べると血痕の跡が発見され、ガードナーは船内で大量に出血したことがわかる。その状態でエアロックに入れられ、ハッチを開けられたために死亡したのだった。
ジェシーとウォルターが無重力状態を作る設備に入って実験したところ、凶器は銃であるとわかる。さらに酸素タンクが破損していることがわかり、それが動機であろうと判断される。酸素が足りなくなったため誰かひとりを殺すことになった。クロスは映画スターなので、一般人のガードナーが撃たれてしまったのだ。
ジェシーは無重力状態で発砲した時、反動で飛ばされて壁に身体をぶつけていた。発砲した人物は同じように打撲傷を負っているはず――ということで3人の背中を調べた結果、発砲したのはレンデルと判明。だがガードナーが死亡しなかったため、クロスがエアロックに閉じ込めて殺害したのだった。
感想
空から降ってきた遺体、被害者は「宇宙に滞在していた」という検死医の判断に思わず「BONESか！」と言いそうになった。あったよね、宇宙飛行士が出て来る話。
こちらはプロの宇宙飛行士ではなく、民間会社の宇宙旅行に参加した一般人。さらに恐ろしいことに、死因は宇宙服を着ないで真空の宇宙空間に出たことだという。ひょえ～
いったい船内で何があったのか。それを調べるためにジェシーとウォルターが無重力状態でシミュレーション。さまざまな凶器で殴ったり刺したりして血の飛び散り方を調べるが、どれも違う。結局ウォルターのローゲーがヒントになって、銃で撃たれたことがわかった。宇宙船内に銃を持ち込んでいたとはびっくりだが、人体は傷つけても機体は傷つけない航空保安官用の銃弾を使ったのだろうか。
結局真相は、小さな隕石の衝突で酸素タンクが損傷し、空気が3人分しかなくなってしまい（その場ですぐに帰還してもダメなの？）、誰か1人が犠牲にならなければならなくなったことだった。乗っていたのは4名だが、旅行社の2人は操縦しなければならない、客の1人は映画スター、というわけで一般人だった被害者が船内で撃たれ、さらに船外へ放り出そうとした。宇宙への遺棄はさすがに思いとどまったものの、結局地球に帰還してからヘリで遺体を捨てようとし、その途中でカモメの大群に襲われて操縦を誤り、冒頭の発見現場に落としてしまった――ということだった。やることが色々と中途半端だが、そのせいで真相がなかなか解明できなかったようだ。
何だか古典SFみたいな話だったが、ともかく久しぶりにメインの事件が面白くて良かったと思う。ジェシーとウォルターのコンビも良かったし、宇宙船の中でポーズを取るホレイショというのも、なかなか新鮮。宇宙船のデザインも、扉の部分がグレイ宇宙人の顔みたいで可愛かった。