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csi_miami:s08:181_in_the_wind

CSI: Miami - Season 8, Episode 14

#181 In the Wind

  • 邦題:「風の証言」
  • 脚本:Brett Mahoney
  • 監督:Allison Liddi
  • 初回放映:2010-02-01

事件概要

サラ・ブラッドストーン、ケイトリン・ブラッドストーン、ルイーズ・ルソー

15年前、妻と娘を刺殺した罪で有罪になったジェームズ・ブラッドストーンの死刑が執行されることになった。しかしその直前、州知事から中止命令が出される。犯行を目撃した隣人のルイーズ・ルソーがTVに出演し「ブラッドストーンが妻を刺す所をキッチンから見た」と言ったのだが、調書では「リビングから見た」となっていたのだ。キッチンからは木が邪魔になって見ることができないため、検事が調書を修正したというのだ。検事が証言をねじまげたという疑いが生じたため、CSIは検察の調査員デルコとともに事件を調べ直すことになる。

その当時ブラッドストーンはERの医師をしており、殺害されたのは妻のサラと5歳の娘ケイトリン。7歳の息子トッドも刺されたが一命を取りとめていた。ブラッドストーンは無実を主張し、当時病院の薬物を横流ししていたのを止めようとしたために妻子が殺されたのだと言う。

ルソーの供述調書の原本を見ると、最初「キッチン」と言っていたのが「リビング」に修正されていることがわかる。供述を取ったのは検事のタルボットで、新人警官だったジェシーが同行していた。ジェシーは殺人事件の捜査は初めてで、調書の修正には反対したものの、結局はタルボットの指示に従ったのだという。ジェシー自身は、ブラッドストーンの犯行を確信していた。

当時CSIはまだなかったが、証拠品は冷凍保存されているため劣化の心配はない。そこで現在の技術で証拠を調べ直したところ、サラが死ぬ前に性交渉を持っていたことがわかる。相手はブラッドストーンの元同僚で薬物の「顧客」だったドナルド・ニューハウス。ニューハウスは犯行当時、薬物依存者の断薬会に出席していたというが、会合は匿名なのでアリバイの確認は取れていなかった。

現場の証拠からはニューハウスもその場にいたことがわかるが、ニューハウスは「直前までサラと浮気していて、夫が帰って来たためあわてて逃げた。財布を忘れたので取りに戻ったらサラが刺されて倒れており、そのまま逃げてしまった」と言う。

ニューハウスの写真を見せられたルソーは「この男ではない」と否定し、あくまでブラッドストーンが犯人だったと断言する。だがその直後、ルソーは車にはねられて死亡してしまう。

ジェシーとデルコがその場にいたため、ただちに車が定配され、フィリッピ・ヘイルが逮捕される。ヘイルは事故を主張するが、車内にあった地図や金の延べ棒から、ルソー殺しを金で請け負ったものと思われた。金の出所をさぐると、強盗犯ロバート・セイジが奪った物らしいとわかる。セイジは釈放されたばかりで、ブラッドストーンと同房だった。ブラッドストーンが黒幕と思われたが、証拠がない。

ホレイショはルソーの証言をもう一度検証し、「大きな音がした」というトッドの言葉に注目する。その日は、ハリケーンの影響で強風が吹いていたのだ。

そこで大型の送風機で当時と同じ風速を再現。それでもルソー家のキッチンから隣家を見ることはできなかったが、ビル風を考慮して風速を上げてみたところ、木が大きくたわんで、現場が見えるようになった。

こうして、執行停止の理由となったルソーの証言はやはり正しかったことが立証され、ブラッドストーンには改めて死刑の決定が下される。


感想

死刑直前になって執行が中止され、再捜査――というのは、死刑制度のある州が舞台のproceduralドラマには付き物のようだ。マイアミはもうこれで2度目のはず。

15年前に事件を担当したのはジェシー……といっても、まだ新人の制服警官で、検事が証人に面談した時に同席して供述書を作っていたらしい。検事と警官、それも殺人課の担当刑事ではなく制服警官が一緒に証人に会うってあまり見たことがないのだが、フロリダ州ではありなのだろうか。

それはともかく、15年前は証言をごまかして何とか辻褄を合わせたものの、今になって証人が「本当はリビングではなくキッチンから見た」と主張して譲らない。キッチンの窓からは木が邪魔になって犯行現場は見えなかったはずなのに? と思ったら答えは風の中にあった。ハリケーンのことくらい思い出せよ! と思うものの、その当時の状況を再現しよう、ということで運んできたのは巨大な送風機。どこから持って来たんだこんな物……。

ついでに15年間木が同じ大きさなの? という疑問もあるけど、それは置いておいて、ここでジェシーとホレイショの視線がぶつかり、15年の時を経て証言と事実が結びついた、この場面はひじょうに印象深かった。

被告人の犯行が改めて明らかになったため、その後死刑執行。ひとり残された息子は現場となった家を売って新たな一歩を踏み出そうと決意する。でもルソー殺しで裁かなくて良いのか?

さて事件はそんなところで。事件の合間にメンバーの近況がちらちらと垣間見えた。

カリーとエリックはもう同僚ではなくなり、隠れて付き合う必要がなくなったようだ。冒頭からラブシーン(とはいってもネットワークドラマなので露出度は控えめ)を展開していた。そこへ電話の着信音。「その電話に出たら殺すわよ」と脅すカリー。かまわず電話に出るエリック、そこへ銃声一発、現場にたたずむホレイショ――という展開でも良かったんだけど残念。

前回耳の問題が明らかになったナタリアは、補聴器を着けてバイオニックウーマンになって解決? ウルフが自分の目のことを話して説得したりする場面を期待したが、それはなさそう。DVの件も結局ニックだったということなのだろうか。

そしてホレイショは、中東情勢のニュースに注目していると思ったら、カイルが軍隊に入って派兵されていたのだった。まだ二十歳にもならない一人息子なので、父親としてはさぞ心配だろう。しかしカイルにしてみたら、幼い頃から里親家庭を転々として悪い仲間に犯罪に引き込まれ、と思ったらある日突然とんでもない両親が現れてその2人に振り回され、モルグで働かされ、母親が銃を片手に職場に乗り込んできて発砲騒ぎ。そりゃ軍隊に入ってでもはやいとこ一人立ちしたくなるだろうなー、なんて思ってしまったわ。


使用楽曲

  • A Warm Place by Nine Inch Nails (冒頭)

Yoko (yoko221b) 2011-10-20, 改訂 2015-02-22

csi_miami/s08/181_in_the_wind.txt · Last modified: 2024-02-23 by 127.0.0.1