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csi_ny:s02:042_super_men

CSI: NY - Season 2, Episode 19

#42 Super Men

  • 邦題:「スーパーヒーロー」
  • 脚本:Pam Veasey, Peter M. Lenkov
  • 監督:Steven DePaul
  • 初回放映:2006-04-12

That's what superheroes do – they come to the rescue.

事件概要

クラーク・クラネン殺害事件

マック、ステラ、フラック刑事担当。スーパーマンのコスプレをした若者が遺体で発見される。近くに落ちていた財布には「マシュー・パーマー」のカードが入っていたが、被害者はパーマーではなかった。パーマーはATMで現金をおろしたところを襲われ、「スーパーマン」に助けられていた。「スーパーマン」は犯人を追跡して財布を取り戻した後に殺害されたと思われた。近くの電話ボックスには、眼鏡と脱ぎ捨てた服があり、服に付着していたガラスの欠片からは、クリプトンが検出される。

「スーパーマン」には体中に古い傷跡があり、体内に刃物の刃先や銃弾の破片を入れたまま傷を縫った形跡もあった。死因をただちに特定することはできなかったが、血液からは抗精神病薬と抗うつ剤が検出される。一方、現場の近くでも薬品の処方箋が発見されていた。それは偽造した物だったが、その書式から病院がわかり、被害者は発達障害で入院していたクラーク・クラネンと判明。クラークは警察無線を聞き、窓から抜け出して電話ボックスでスーパーマンの衣装に着替えて人々を救っていたのだった。クリプトンは、窓の外の電球を壊した時に付着したものと思われた。

ATMの監視カメラの記録から、パーマーを襲ったのは、以前フラックが逮捕したカーター・イングランドと判明。だがカーターは、クラークの追跡を逃れて売人の所へ薬物を買いに行ったと主張する。その「売人」は病院の制服を着ていたという。

クラークの兄スティーヴは、マディソン・アヴェニューで靴磨きをしているホームレスだった。スティーヴは、クラークの病気は自分のせいだと思っていた。クラークは4歳の時、スティーヴがちゃんと見ていなかったために窓から落ちた。そして母親はアルコールに溺れて死んだという。

ハマーバックはやっとクラークの死因を特定する。死因は首の後への一撃で、子どもの頃の怪我が原因でその部分が弱くなっていたため致命傷になった。加害者はおそらく空手の心得がある者――それに該当する人物がひとりいた。空手大会での優勝歴があり、クラークの病歴を知っている病棟勤務員のヴァーン・ドックスだった。ドックスは処方箋を偽造してカーターに売っていたことをクラークに知られ、通報されることを恐れて殺害したのだった。処方箋の筆跡から、ドックスの犯行が裏付けられた。

タイレル・マン殺害事件

フットボールのスタープレイヤー、タイレル・マンが宿泊先のホテルで死亡。タイレルは「スーパー・マン」と呼ばれるほどの花形選手。彼は血を流して倒れていたが、死因は失血ではなく、血管に空気を注射されたことだった。首に残る刺し傷の大きさから、ボールの空気入れが凶器ではないかと疑われたが、部屋の中に凶器と思しき物は見当たらない。部屋に落ちていたタイレルのチャンピオンシップリングからは、女性のDNAが検出される。

部屋からは、事件当時あったはずのルームサービスのカートがなくなっていた。それはおそらく、犯人が「凶器」を皿に隠して持ち出したためと推測してホテルの遺失物係を探して、空気入れを発見。指紋に前歴はなかったが、DNAを調べると、リングから検出したDNAの主と血縁関係があることがわかる。

タイレルは高校生の頃、自動車事故で当時の恋人を死なせておきながら、スキャンダルを恐れて助けも呼ばずその場を立ち去っていた。当時の新聞記事には、彼のチャンピオンシップリングをネックレスのように首にかけた恋人エレインの写真があった。エレインの父モーリス・ブラッドフォードは、タイレルが「凱旋」したことを知って部屋を訪れ、話し合おうとしたが邪険に扱われ、警備員を呼ばれそうになった時に空気入れでタイレルを刺したのだった。


感想

とてもCSI:NYらしい……というか、私がこのシリーズに対して勝手に抱いてきたイメージにぴたりとはまるエピソードだった。

最初に「スーパーマン」の遺体が映った時は、失礼ながら「また変なニューヨーカーが……」と思ったのだが、クラークの人物像が次第に明らかになり、最後にマックとスティーヴが言葉を交わすシーンでは胸が熱くなった。スーパーマンとして人々を救ったクラークの存在をマックは忘れない。そしてニューヨークの片隅で必死に靴を磨いているのが、単なる「ホームレスの男」ではなく、ただ1人の弟を亡くしたスティーヴ・クラネンという人間であることもマックは忘れない。

ラストが珍しくイメージビデオ風(マイアミでは時々あるけど、NYでは初めてかな?記憶にないよ)なのは「安っぽい」という批判もあるようだが、私はけっこう好き。情緒的であり、かつ骨太な正義感を正面からストレートに訴えかけていて、このエピソードはこういう話だったんだ、ということがわかりやすく伝わってくるから。善意と正義に対する限りない肯定をマック・テイラーの存在が支えている、そんな印象を得た。でも、できればCSIや刑事たちだけでなく、靴を磨くスティーヴや、病院でクラークを追悼する仲間たちの映像もあれば良かった。

シーズン前半では「エピソードに重みがなくなった」とぶつくさ文句を言っていたが、後半に来てやっと前シーズンのようなNYらしさが戻って来たかなと安心した。だって前半のエピって、おばかなお金持ちの話ばかりだったし。このままナンセンス路線が続いたらどうしようかと思った。あとはD.J.プラットの話にケリがついて、まともな日本ネタが登場すれば私は満足ですよ。

ところで、犯行の決め手になったのは筆跡(とカーターの証言?)だが、その証拠、中盤でしっかり映っていたのね。筆跡に注目すればそこで事件解決だったのだわ。

Yoko (yoko221b) 2007-04-30

csi_ny/s02/042_super_men.txt · Last modified: 2020-03-30 by Yoko