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csi_ny:s07:153_party_down

CSI: NY - Season 7, Episode 13

#153 Party Down

  • 邦題:「パーティ・ダウン」
  • 脚本:Adam Targum
  • 監督:Skipp Sudduth
  • 初回放映:2011-02-04

事件概要

キャメロン・マーシャル、ブレット・ホリスター、ヴィクトリア・エンゾ他1名

大型のトレーラートラックが暴走し、ハドソン川に転落する。そのトラックでは流行の「トラック・パーティ」が開かれていた。約20名のゲストたちは中に閉じ込められたまま転落し、天井のハッチから抜け出して大半は救助されたが、キャメロン・マーシャル、ブレット・ホリスター、ヴィクトリア・エンゾの3名は逃げられず溺死。

トラックは偽名で借りられ、料金は現金払い。扉は外側から南京錠で施錠され、天井のハッチも溶接した形跡があった。溶接がもう少ししっかりしていれば、全員死亡していた可能性もあった。

死亡したヴィクトリア・エンゾの父親カーメン・エンゾは清掃員組合の支部長で、労働争議に関して組合員から恨みを買っていたらしいとわかる。エンゾは「犯人がわかればただではおかない」と口にする。

犯人はエンゾへの見せしめのために娘を狙ったのではないか――と思われたが、ヴィクトリアは本来出席するはずではなかったとわかる。パーティに招待されたのは友人のジェシカ・トンプソンで、どうしても仕事を抜けられないのでヴィクトリアに代わりに行ってもらったのだ。それが事実ならヴィクトリアがターゲットではあり得ない。

参加者の多くはSNSなどで告知を見て会場にやって来たが、話を聞いてみるとジェシカの他、クリス・ボイル、ニール・クーパー、アビゲイル・ウェストの合計4名だけは招待状を受け取っていた。4人はお互いに知り合いではなく、これといった接点も見つからなかったが、無言電話やゴミ箱あさりなどの嫌がらせをそれぞれに受けていたようだ。

ジェシカが持っていた招待状を分析した所、インクに血液が混ぜられているとわかる。そこから作成者はアーティストのアキコ・ハルカことワンダ・コールであるとわかるが、ワンダは「依頼を受けて招待状を制作しただけ」だと言う。彼女はジョーの求めに応じて依頼者の似顔絵を描くが、相手はずっと目をそらしていたので似ている保証はないという。

似顔絵を見たニールは「自分を睨みつけていた男に似ているが、ちょっと違う」と言い、目や髪型を調整。そこへジェシカが通りかかり、変更後の似顔絵を見て驚く。元婚約者のジョニー・エヴェレットだというのだ。ジェシカとジョニーは前年に婚約したものの、ジョニーは独占欲が強い性格で、ちょっとしたことで浮気を疑ったりした挙句、彼の方から一方的に婚約を解消してきたという。

ジョニーの部屋へ行ってみると、扉には鍵がいくつも取り付けられ、窓は新聞紙で覆われ、何かに脅えていた様子が伺われた。統合失調症とも考えられる。壁には何かがぶつかった跡があり、その下には乾いた血痕。ジョニーが侵入者と争ったらしい。そこへ、まるで監視するかのようにエンゾが現れ、マックはエンゾが警察の情報をつかんでいることを知り苛立つ。

だが、その直後にジョニーが遺体で発見され状況は一変。潮流で遠くへ流されたために発見が遅れたが、ジョニー自身もパーティに出席していたのだ――しかも運転手ではなくゲストとして。ポケットにはワンダが制作した招待状が入っていた。死因は溺死ではなく、トラックの尖ったエンブレムに首を刺されたことであり、また運転席の外側にあった窪みは、ジョニーの靴の鋲の跡と一致。おそらくトラックがダイブする前に運転手が脱出に失敗して閉じ込められ、犯人とは知らずジョニーが外側から扉を開けて助けたのだろう。だが、そこにいたのは、以前にジョニーの部屋に侵入して争った男。犯人はジョニーを殺害して被害者のふりをしたのだ。ワンダは招待状を4通しか制作していないので、「招待状をもらった」という4人のうち誰かが嘘をついている。ワンダに依頼したのは男性なので、クリスかニールのどちらか。

ジョーの巧みな尋問により、ニールの犯行であることが明らかになる――アビゲイルはニールの幼なじみで、子どもの頃はよく遊んでいたのに、進学して友達が増えるとあっさりニールから離れていった。またニールはクリスに勉強を教えていたのに、クリスはスポーツの花形選手として注目を浴び、ニールを省みることはなかった。ニールはジェシカを愛したが、彼女の方はニールの名前すら知らない。そんなジェシカを一方的に捨てたジョニーもまた、ニールにとっては許しがたい存在だった。そうやって恨みを抱えて生きていたニールは、ある日両親の事故死によって多額の保険金を得る。それで復讐を遂げることができる、と思いパーティを計画したのだった。

ニールは逮捕され、移送されることになる。警察署の前にはマスコミが詰めかけるが、そこでカメラマンに扮したエンゾがニールを射殺する。


感想

おしゃれで華やかなパーティが一転して阿鼻叫喚の地獄絵、被害者だと思っていたのが実は加害者で、捜査の方向を誤っていたのは、犯人が巧みに誘導したためだった――というアイデアは良いと思う。思うのだけど、それで面白い話になるとは限らない、というのが今回の教訓だったような……。何だろう、この残念感。

多分、最初から最後までいくつも偶然が都合良く重なりすぎて、ストーリーが全体としてそれに依存している感じが良くないのだろうと思う。ジェシカが招待状を持っていなければ、ワンダの似顔絵がもっと似ていたら、アビーかクリスがニールを覚えていたら、ジョニーが助かっていれば――という、ギリギリのきわどい偶然が多すぎる。エンゾさんも、キャラとしては悪くないのだけど、この話にはちょっと余計な気がした。マックも、エンゾの動きをわかっていてあんな目立つ所を歩かせるかな~。

ジョーの尋問術は面白かったが、ジョニーの部屋から血痕が見つかっているわけだから、まずクリスとニールにDNAの提出を求めれば良いわけだし(クリスが断るとは思えないし、令状も取れそう)。

個人的に注目したのは、ジョーの持っているファイル。幾何学模様が派手派手で可愛い! 何だかほしくなってしまうなぁ。中の構造は、右側にレポート用紙を差し込んでメモを取り、左側にはメモや書類をはさんでおけるポケットが付いているタイプだと思う。日本でいう「レポートホルダー」という製品かな。私もひとつ持ってはいるけど、全体が薄いから「レポート用紙+表紙」みたいになって、左側にあまりたくさん紙をはさめないのが不満なのよね……ああいう厚みのあるタイプがほしい。

ところで、大型のトレーラートラックを会場として使う「トラックパーティ」って何が面白いのだろう。どうせ車を使うのであれば、二階建てバスを借り切って、走行して夜景を見ながらのパーティの方がいいなぁ。窓もないところで停車したままなんて、倉庫の方がまだマシな気がする。閉め切ったトレーラーなんて酸欠になりそう。

さて、この次のエピ「スムース・クリミナル」はなぜか、テレ東のラインナップに入っていないのでちょっと後回し。WOWOWでは放送しているはずなのだが、何か地上波で自粛するような要素が入っているのだろうか。


使用楽曲

  • “I Like That” by Richard Vission & Static Revenger feat. Luciana

Yoko (yoko221b) 2013-06-18

csi_ny/s07/153_party_down.txt · Last modified: 2024-03-02 by 127.0.0.1