User Tools

Site Tools


csi_ny:s07:155_vigilante

CSI: NY - Season 7, Episode 15

#155 Vigilante

  • 邦題:「復讐」
  • 脚本:Christopher Silber
  • 監督:Frederick E. O. Toye
  • 初回放映:2011-02-18

事件概要

ガーランド・クラーク、クレイグ・トムリン

「殴られ、縛られて射殺された遺体がある。殺すのはこれからだ」という緊急通報が入り、現場へ警官が駆けつけるとそのとおりの遺体があった。通報者(犯人)はすでに逃亡。被害者を縛り、殴打するという手口は、その付近で頻発しているレイプ事件と同じだが、今回の被害者は男性。

その後、被害者の身元は害虫駆除業者のガーランド・クラークと判明。実はこのクラークこそがレイプ事件の犯人であった。この事件はずっと未解決のままだったが、被害者の誰かが何らかの方法で犯人を突き止め、報復として同じ手口で暴行を加えたすえに殺害したという疑いが生じる。使用されたダクトテープには、最初の被害者ケイトの毛髪が付着しており、ケイトの部屋にはクラークを隠し撮りした写真があった。リンジーはケイトの犯行を疑うが、被害者支援ネットワークの弁護士アニー・カートランドが現れ、事情聴取は中断される。

乗り捨てられていたクラークのバンが見つかり、中を調べると殺害とともにレイプの痕跡が発見される。クラークは被害者をレイプした後に「記念品」として髪の毛を切り取っていた。ケイトの毛髪は、切られた物が付着した可能性があった。レイプを届け出た被害者は5人だが、髪の束はそれより多く、泣き寝入りした被害者が何名かいたことがわかる。

その後、同じような予告通報が入り、強姦罪で5年の形に伏し、出所したばかりのクレイグ・トムリンの遺体が発見される。現場の状況から、加害者は少なくとも2人いたはず。トムリンのシャツには、スポーツ選手が使用する発汗促進剤が付着しており、使用した人間の汗も混ざっていた。

通報者は、音声から男性と思われていたが、それはボイスチェンジャーを通した声だった。アダムが元の声を復元すると、女性の声とわかる。犯人がレイプ被害者であるなら、以前にも襲われて通報した可能性がある。そこで、マックは過去3年間にブルックリンで発生したレイプの通報記録と照合するよう指示する。

やがて犯人の声と声紋が一致する通報記録が見つかり、やはりレイプ被害者であるヘザー・マリストが逮捕される。汗のDNAからもヘザーの犯行が裏付けられる。ヘザーは共犯者については口をつぐむが、共犯者の正体は現場にあった水晶の欠片から明らかになっていた。その欠片には物の識別番号を示すマイクロドットが記録されており、その情報からゴールドのイヤリングの一部であることがわかったのだ。持ち主はアニー・カートランドだった。

アニーは国選弁護人をしていた頃にトムリンの事件を担当し、逮捕時の不手際を理由に取引をして軽い刑で済ませていた。公判に持ち込めば検察が負けると判断してのことだったが、実刑は5年だけで上司からは「変態の味方」といやみを言われてしまい、国選弁護人を止めて被害者支援の仕事に就いていた。そこへケイトからクラークの件で相談を受けたのだ。

ケイトはある日、自分のアパートに出入りしている害虫駆除業者がレイプ犯であることに気づき、確信が持てないまま何枚も写真を隠し撮りし、アニーに相談していた。ヘザーとアニーは、ケイトに計画を知らせず「任せて」とだけ言ってクラークをおびき出して殺害。そして出所したトムリンをも殺したのだった。


感想

どうしたんだNY?

今シーズン、前半はけっこう良い感じだと思っていたのに、折り返し点を過ぎてもう息切れしてきたのか? 前回の「スムース・クリミナル」はまだ見ていないけど、最近あまり面白くない。

今回のストーリーはシーズン4「制裁」の焼き直しといって良いだろう。シーズン7ともなれば、プロットの使い回しは避けられないかもしれない。問題は使い回したことではなく、そこに何も新しいものが加わっていないことだ。「制裁」の感想として「正しすぎて響くものがない」と書いたが、今回の印象もそれに近い。結局のところ「気持ちはわかる。もし自分なら同じことをしたかもしれない。でも復讐は正義ではない」から一歩も先へ踏み込んでいないから。むしろ空虚さが増したというべきだろうか。それは、今回の話はシーズン5のフィナーレを経ているから。

あの時フラックは、恋人を殺した犯人を射殺した。差し迫った危険がないにも関わらずだ。だが結果的に正当な発砲と判断され、本人も一時期かなり荒れていたが、その後葛藤を経て立ち直った。今回の彼を見ていると、立ち直ったというより、なかったことにしているようだが……。

今回の犯行はかなり計画的であるし、同じ状況というわけではない。それにしても、片方は逮捕、もう片方は何事もなかったように刑事を続けているのは、やはり不当ではないかと思う。これがフラックでなくゲストキャラだったら、逮捕されるか、少なくともバッジを返上したのではないだろうか。フラックもきちんと責任を取るべきであったし、ドラマ的にそれが無理なら最初から発砲させるべきではなかったと思う。

もっとも今回の彼女たちも、予告通報などせず、正当防衛を主張できるような状況をお膳立てしておけば、お咎めなしだったかもしれない。敢えてこういう方法を取ったのは、「被害者だって黙ってはいない」「犯罪者が法に守られるのは許せない」という一種のメッセージを社会に対して送ることが目的だったと思われるが、それは十分に達せられたのではないか。むしろ逮捕されたことで「今度は法廷戦!」と意気込んでいるだろうか。

ホークスの「恋人がレイプされた過去」というのは、シーズン5の12話「ヘルプ」で言及された。でも「制裁」では特に何も言っていなかったと思うので(ちゃんと確認してないけど)、やはり後付け設定なんだなと改めて思った。


使用楽曲

  • “She's Long Gone” by The Black Keys (冒頭)
  • “Closer” by Sander Kleinenberg & Neil Ormandy (ヘザー逮捕)

Yoko (yoko221b) 2013-06-19

csi_ny/s07/155_vigilante.txt · Last modified: 2024-03-02 by 127.0.0.1