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lao:s06:123_trophy

Law & Order - Season 6, Episode 12

#123 Trophy

  • 邦題:「戦利品」
  • 脚本:Jeremy R. Littman
  • 原案:Jeremy R. Littman, Ed Zuckerman
  • 監督:Martha Mitchell
  • 初回放映:1996-01-31

事件概要

People v. Simon Brooks

公園で黒人少年の遺体が発見される。被害者デリック・ウィンターズは “THEY MUST BE DESTROYED” と書かれた紙を身に着けていた。それは5年前に黒人の少年ばかり続けて殺害したアンドリュー・ディラードの手口だったが、ディラードは現在刑務所に収監されている。

ディラードは以前に強盗の被害に遭い、犯人は逮捕されたが無罪になったため怒りをつのらせ、黒人の若者を片っ端から殺したとされていた。

その後、ショーン・モンローという黒人少年の遺体が発見される。デリックは真面目な少年だったがショーンは不良。事件当日は不良仲間と一緒に店で万引きをして、警官に捕まっていたという。だが確認したところ、ショーンを補導した警官はいなかった。カーティスは警官ではなく似たような制服の警備員ではないかと思いつく。デリックも犯行直前に店の警備員と接触していたのだ。

デリックとショーンの両方に接触した警備員サイモンの自宅には、十字架や宗教画がいくつも飾られていた。カーティスは聖書を手に取り「殺していないなら、聖書に手を置いてそう言ってほしい」と言うが、サイモンにはそれができなかった。

サイモンは2人を殺害したことを認める。デリックは聖ジャスティンの帽子をかぶっているのに、店でアダルト雑誌を見ていた。ショーンは十字架を身に着けながら万引きをした。サイモンは続けて、ディラードが殺したとされる少年たちも、すべて自分が殺したと告白。犯行日時、場所、殺害方法をすべて自供し、被害者たちから奪った「記念品」も保管していた。

サイモンはディラードが逮捕された後、母親に自分の罪を告白し、投薬治療を受けていた。だが2ヶ月前に母親が死亡してからは病院に行くのを止めたため、犯行が再発してしまったのだ。

People v. Diana Hawthorne (判事:Walter Schreiber)

5年前にディラードを起訴して有罪にしたのはマッコイだった。ディラードの弁護士は、マッコイが被告人に有利な証拠をわざと握りつぶしたことを非難する。かつての被害者のひとりはディラードと口論したところを目撃されていたが、その1時間後にサイモンと一緒に歩いているところを目撃されていたのだ。その目撃情報は弁護側に知らされていなかったが、マッコイ自身もそのことは初耳だった。

担当刑事は、供述書を確かに検事に渡したと断言する。ただし相手はマッコイではなく当時彼の下にいたダイアナ・ホーソーン。ホーソーンは現在弁護士として事務所を開いており、供述書を受け取ったとすればマッコイに渡したはずだという。シフは状況がはっきりするまでマッコイに停職を言い渡す。

キンケイドは裁判の記録を調べ、筆跡鑑定の専門家が最初は「特定不可能」と言っていたのが裁判では「ディラードの筆跡だ」と述べていたことに気づく。

筆跡鑑定家は、ホーソーンから「ディラードが犯人である決定的な証拠があるのに、手続き上の不備で不採用になってしまった。このままでは殺人者を野に放つことになってしまう」と頼まれて偽証したことを認めた。ホーソーンはマッコイに対し「あなたが勝ちたがっていたから、望みどおりのことをしただけよ」と言う。

マッコイは復帰を認められるが、デリックとショーンが殺されたのは、5年前に別人が起訴されたからで、それはホーソーンの責任であるとして、クリミナル・ファシリテーションでの立件を主張。マッコイはこの件で証人であるためキンケイドが起訴を担当する。

公判が始まり、マッコイは証人として「ホーソーンが証拠を隠したり偽証を仄めかしたりしていることは知らなかったし、知っていれば絶対に許さなかった」と証言。ホーソーンの弁護人は、2人が恋人関係でもあったことを持ち出し、ホーソーンがマッコイの意向ですべて行っていたことを印象付けていく。実際、ディラード事件の後でマッコイは昇進し、そのお祝いにとホーソーンを連れてアイルランドを旅行していた。

ホーソーンも自ら証言するが、反対尋問に立ったキンケイドに対して、マッコイを昇進させたかった、そして彼の賞賛がほしかった――つまりマッコイではなく自分の意思で行ったことを認めていく。

ホーソーンはその後、第4級のファシリテーションでの罪を認め、実刑6ヶ月と弁護士資格剥奪という罰を受け入れる。


感想

模倣犯かと思いきや、5年前に有罪になった件は冤罪で、今回の犯人が一連の犯行をすべて(過去からずっと)行っていたことが明らかになる。当時事件を担当したマッコイ検事大ピンチ。

マッコイ自身は確かな証拠を得たと確信していたが、実は当時マッコイの下にいた女性検事が被告側に有利な証拠を握りつぶし、検察側の証人にも圧力をかけていたことがわかる。偽証はもちろん許されることではないが、検事から「ちゃんと証拠があって犯人なのは間違いない」と言われていれば、偽証してしまう気持ちもわかるような気がする。無罪になれば殺人者が野に放たれてしまい、もし彼がまた殺人を犯したら……自分の証言でそれが阻止できるなら……と考えたのだろう。

5年前に無実の被告人が有罪になることがなければ、捜査は継続し、真犯人が逮捕されて今回の殺人はなかったかもしれない。というわけで、証拠を握りつぶしていたホーソーンがクリミナル・ファシリテーション罪で起訴される。マッコイは証人なのでキンケイド検事が担当。彼女がメインで事件を扱うのは今シーズンで「Humiliation(屈辱)」に続いて2度目であり、検事が証人として証言するのもシーズン3の「Jurisdiction(裁きの権限)」でストーン検事が証言して以来2度目。考えてみると、この3話は全部冤罪がらみだ。

こういう事件なので、マッコイが過去に扱った事件もいろいろ取り沙汰される。過去に、といってもマッコイシーズンはまだ2年未満なので、どちらもシーズン5だ。ローランド事件は「Competence(愛の力)」、ハンク・チャペルは「Act of God(ダイナマイトの夜)」(これも冤罪エピだった)。

5年前にマッコイの部下だったホーソーン弁護士は当時マッコイの恋人でもあったというが、その頃マッコイはもう離婚していたのかな。それは良いが、彼女とキンケイドの会話の中で、キンケイド自身もマッコイと男女の仲であることが示唆されたことに少々驚く。このシリーズでさえも職場恋愛と無縁でいることはできなかったか……。キンケイド検事は確かに、ストーン検事よりマッコイ検事の方とケミストリーがある感じはするが、そういう仲だとは思っていなかったので、やはりちょっと抵抗があるなぁ。プライベートな面はできるだけ排して、各キャラの人間的な面はあくまでも事件を通じて、事件にどう接するかで表現してほしいなと思う。

それにしても、元カノの弁護士は金髪で野心的なセクシー美女。キンケイド検事はブルネットで優等生タイプ、美人は美人だけど全然タイプが違うじゃん。マッコイの好みがわからなくなってきたが、美人を選んで採用しているのは確かだという気がする。

ラストシーン、「取引をしなくても勝てたのに」と言うマッコイに対してキンケイドは「わかっているけど、あなたの望みだと思ったから」と言って笑う。これがホーソーンの台詞と対応しているわけね。

Yoko (yoko221b) 2012-02-05

lao/s06/123_trophy.txt · Last modified: 2020-06-28 by Yoko