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wire:s04:050_final_grades

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The Wire - Season 4, Episode 13

#50 Final Grades

  • 邦題:「最終成績」
  • 監督:Ernest Dickerson
  • 脚本:David Simon
  • 原案:David Simon, Ed Burns
  • 初回放映:2006-12-10

“If animal trapped call 410-844-6286” – Baltimore, traditional

概要

バブルスは「シェロードを殺した」と殺人課に自首。ノリスが取り調べるが、刑事が目を離した隙にバブルスは首を吊って自殺をはかる。発見が早かったため死に至らず、殺害も故意ではなかったため、バブルスはリハビリセンターに送られる。

空家からは次々に遺体が運び出され、廃校になった学校の体育館に並べられる。マーロ・スタンフィールドの組織が関わっていることは確実と見られたが、MCUがワイヤータップを停止している間に彼らは連絡方法を変えてしまっていた。バレルとロールズは、ダニエルズに対してパトロールの人員を割くことを約束。バレルはロールズの野心に対して釘を刺す。

麻薬ディーラーたちは、プロップ・ジョーの荷が盗まれたことを聞き「同じ荷のためにまた払うのか」と不満を漏らすが、ジョーは「良いことも悪いことも共有するのがCo-opだ。嫌なら商品は渡さない」と言い渡す。マーロはジョーの仲介でヴォンダスと会い、強奪は狂言ではないという言質を得る。

カーヴァーはランディを引き取ってくれる里親を探すが、なかなか見つからない。カーヴァー自身がランディを引き取ろうともするが、それにも長期間の審査が必要だという。

パトロール警官には、ネイルガンの釘の写真が配布され、「この釘で板を打ちつけた空家を探せ」と命令が下される。バンクとグレッグスは、ハークとともに、彼がクリスとスヌープを足止めした位置へ向かう。ハークはそこでネイルガンを撃ったはずなのだが、そこには釘の跡らしき穴が開いているだけだった。その後、彼らはクリスの車を足止めして捜索。グレッグスは秘密の隠し場所から拳銃を発見する。2人は逮捕され、血液と毛髪を提供させられる。

ボディはリトル・ケヴィンの遺体が発見されたと聞いて衝撃を受ける。彼はマクノルティ巡査が見ている前でパトカーの窓を蹴破り、逮捕される。マクノルティはパールマンに頼んでボディを不起訴にしてもらい、釈放されたボディを迎えて車に乗せる。その様子を、マーロの部下モンクが目撃。マーロがゴーサインを出し、ボディはその夜、街角で射殺される。

コルヴィンは、デニスの仲介で獄中のウィーベイと面会し、ネイを自分の保護下に置かせてほしいと頼み込む。ウェスタン地区はすでに、バークスデール組のものではなく、昔流のやり方は通用しなくなっている。ネイはそこで生きられる人間ではないが大きな可能性を持っている。

一方オマーはジョーから奪った荷を山分けし、自分の取り分はプロップ・ジョー自身に売りつける。大金を手にしたオマーは、ブッチーに分け前を渡して姿を消す。

ボディが仕切っていたコーナーは、マイケルの物になる。マクノルティは、自分と話したせいでボディが殺されたことを知る。

市長は結局、学校のための州の資金を拒否する。特別クラスのプロジェクトは終了し、生徒たちは元の教室に戻って行く。カーヴァーはランディのために手を尽くすが、結局ランディはグループホームに引き取られる。そこには「ちくり屋」の噂がすでに届いていた。マイケルはマーロの組織で初めて殺人に手を染める。マクノルティはダニエルズのもとを訪れ、MCUへの復帰を願い出る。ハークは内部監査課の調査を受ける。マーロはジョーとヴォンダスの動向を監視する。パレンティは特別クラスでの研究結果を発表する。遺体の数は22人に上り、殺人課のホワイトボードからはみ出していた。プレッズはドゥーキーが街角で薬物を売っていることを知る。そして閑静な住宅街では、髪型を元のポニーテールに戻したネイモンドがテラスで朝食を終え、学校へ向かおうとしていた――。


感想

あぁ、今シーズンも終わってしまうのね……と思いながらクロージングモンタージュを見ていると、今シーズンの皆のあれやこれやが思い出されて胸がいっぱいになってしまった。4人の少年たち、市長選挙と新市長、そして空家の殺人事件をめぐる話はこれで終わるのだけど、ボルティモアの街では今も変わらず日は昇り日は沈み(そりゃ当たり前)、彼らの生活は変わらずに、あるいは少しずつ変わりながら、これからもずっと続いていくんだなぁ……と、物語を締めくくる街の静かな佇まいを見ながらしみじみとそんなことを思った。まぁ、長く続かなさそうな人もいるけど。

1話で一緒に路地を駆け回っていた少年たち。マイケルはマーロ組の戦闘員に。ドゥーキーもドラッグディーラーの道へ。ライアンはグループホームへ。そしてネイはコルヴィン家に引き取られて「ゲーム」の外へ。夏休みが終わりかけだった1話から、ほんの4ヶ月かそこらでこうなってしまうなんて。いったい何がいけなかったんだろう、どうすればあの子たち(ネイ以外)の運命を変えられただろう――と、彼らと彼らをめぐる大人たち、デニス、プレッズ、カーヴァー、コルヴィンとの関係を思いながら考えてみる。でも、どう考えても同じ地点に戻って来てしまうのは、やはりストーリーの骨格が確実に組み上げられていて、脚本に説得力があるからなんだろうな……これは本当に、毎シーズンそう思う。そして同じように頷かされて泣かされてしまう。

マクノルティがMCUに復帰する流れもそうだ。ボディの最期は、本当にあっけないくらい無味乾燥に射殺されてしまっていたけれど、そこからマクノルティの復帰へと話がつながっていき、淡々と流れて行く描写の中に感覚に強く訴えてくる要素があった。MCUはこれから本格的にマーロ組の捜査にとりかかるのかな。マイケルの写真に「Unknown」の文字が書かれているところで、また泣きそうに……。

クリスとスヌープによる大量殺人の件は、結局まだ解決せず、ダニエルズの下でバンクたちがこれからも捜査を続けていくのだろう。これが解決しないままでシーズン終了ってのもすごいよね。他のドラマだったら、ハークの撃った釘が照合されて2人が逮捕されているところだろう。

そんなこんなで、今季は「犯罪捜査」「ワイヤータップ」の枠を越えてより大きく羽ばたいた、とても面白いシーズンだった。ひとつ不満を言うならば、それはマクノルティ不足。来季はもっとちゃんと活躍してくれよ、クレジットの先頭に名前が出てるんだからさ……。

あ、やっぱりもうひとつあった。来季はバブルスがもっと幸せになれますように(-人-)……今回のあのラストのままではあんまりだわ~。

Yoko (yoko221b) 2008-08-24

wire/s04/050_final_grades.txt · Last modified: 2020-08-15 by 127.0.0.1