• 邦題：「患者X」
• 脚本：David Amann
• 監督：Timothy Busfield
• 初回放映：2006-01-19

セラピストのジーナがオフィスを出た後に駐車場で失踪。車はガラスが割られ、持ち物が現場に散乱し、他の車で暴力的に連れ去られた形跡が認められた。

ジーナは婚約者のドンと同居しており、約1年の交際を経て結婚を来月に控えていた。ドンの話から、ジーナが患者との間にトラブルを抱えていたらしいとわかるが、その患者の身元は不明。ジーナ自身のセラピストであるリチャードの話では、最近ジーナの事務所が荒らされたことがあったという。

目撃証言から、ジーナがモーテルでドン以外の男性と密会していたらしいとわかる。また、ジーナの患者だった女性は「ヴィンス」という男性との交際を興奮気味に語った時にジーナから「ヴィンスは危険な男なのでもう会わないように」と言われていた。ジーナは「ヴィンス」を良く知っているらしい。その後、ヴィンスは元バーテンダーで、2年前に客として店にいたジーナを口説いて意気投合していたことがわかる。

ヴィンスの本名はヴィンセント・アラン・ウィーヴァー。窃盗や強盗などの前歴が何件もあった。そうこうするうちに、ある店でヴィンスとジーナがショットガンを購入していたこともわかる。ヴィンスは女性を巧みに誘惑し、支配し、犯罪に加担させたあげく破滅に追い込む常習犯だった。

ヴィンスが宿泊しているモーテルがわかるが、踏み込んでみるとそこにはトーニーという女性がいるだけだった。トーニーの話から、2日前にジーナがヴィンスに「もう別れる」ときっぱり引導を渡し、それに怒ったヴィンスが駐車場でジーナを拉致したことがわかる。ヴィンスは以前にジーナの事務所を荒らした時に、裕福な患者についての情報を盗み、ジーナにショットガンを買わせて強盗をするつもりだという。

該当する患者がわかり、自宅に急行すると、ジーナとヴィンスはちょうど出て行ったばかりだという。2人は金を奪おうとしたが、財産はすべて離婚のために凍結されている。それを知ったヴィンスはジーナに銃を渡し撃つように命じたが、ジーナが従わなかったため、ヴィンスは彼女を殴り、連れて出て行ったのだった。

2人の立ち寄り先を探してドンの自宅に向かったマーティンは、ドンを人質にしてヴィンスとジーナが口論していることに気づく。緊急を要すると判断し、マーティンは単独で踏み込みヴィンスを射殺する。

男性版ファム・ファタール？ とでも言えば良いのだろうか。犯罪ドラマで時折出てくる、いかにも悪そうな男の負のオーラに引き込まれるように破滅の道をたどってしまう女性たち。CSIでも「殺人犯のグルーピー」が出てくるエピソードがあって、最初に見た時は何だか意味不明だったのだが、実際にそういうことってあるのだろうか。だが現実はともかく、このエピソードでジーナがヴィンスに惹かれていく気持ちはあまり「響いて」こなかったかな。

捜索のプロセスも、モーテルで目撃したという情報がちょっと都合良すぎなのと、ジーナの顧客→ドンの自宅という経路の割り出しが性急すぎたかなという印象。そんなわけで事件はどうでもいいが、それよりマーティンが！

犯人追跡で階段から落とされて、辛そうな様子を見せていたのが3回前のこと。その後どうやら鎮痛剤の依存症になっている様子。事件解決後、浴室で薬を見つけてそれをそのままポケットに……。ダメよマーティン！ それは窃盗罪よ～！

このマーティンのヤク中アークは、シーズン後半にもうしばらく引っ張りそうだなぁ……ちょっと嫌だけど。早く立ち直ってください。

— Yoko (yoko221b) 2009-04-09